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Research Contents

プロバイオティクス由来生理活性物質の探索から新薬開発へ

世界初「腸管バリア機能」増強で「粘膜治癒」

有害事象の少ない

新規抗腫瘍剤の研究開発

プロバイオティクス由来生理活性物質の探索から新薬開発へ

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 当社は、旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野の藤谷幹浩教授らの研究成果に基づき設立した、旭川医科大学発の創薬バイオベンチャーです。

 

 旭川医科大学とサッポロホールディングス株式会社から「プロバイオティクス由来の長鎖ポリリン酸を用いた新規炎症性腸疾患治療薬の開発」に関する研究成果を継承し、2018(平成30)年4月に発足いたしました。

​ プロバイオティクス由来生理活性物質を活用した、消化器領域及び抗がん剤領域の新規治療薬候補物質の研究開発を進めています。

旭川医科大学発の創薬バイオべベンチャー
潰瘍性大腸炎 医療受給者証および登録者証交付件数の推移

 炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)は、大腸や小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす原因不明の疾患の総称であり、主に潰瘍性大腸炎とクローン病に大別されます。厚生労働省から難病に指定されており、下痢や血便、腹痛などの症状が生じます。

 日本においては、発症年齢は25~30歳にピークがあり、有病者数は30代で最多、男女問わず、若年者から高齢者まで幅広い年代層に患者がみられます。2014(平成26)年度末の潰瘍性大腸炎の医療受給者証および登録者証交付件数の合計は約18万人で、両疾患ともに国内患者数は増加の一途を辿っています。

 現在、IBDの治療薬は抗炎症剤が中心となっていますが、標準治療薬を服用しても多くの症例で再燃してしまいます。

 

 近年、IBDの治療のゴールは症状の寛解ではなく「粘膜治癒」であることが明らかになってきていますが、直接的な粘膜治癒促進剤は未だ実現されていません。

変わりつつあるIBD治療目標-内視鏡的寛解(粘膜の治癒)の時代に-

世界初「腸管バリア機能」増強で「粘膜治癒」

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 当社が主力開発している新薬候補物質「長鎖ポリリン酸」は、サッポロビール株式会社が見出した麦芽乳酸菌SBL88から同定された物質です。旭川医科大学とサッポロビール株式会社の共同研究により、SBL88が分泌する長鎖ポリリン酸にバリア機能増強活性を有することが、世界で初めて明らかにされました。

 

 「長鎖ポリリン酸」は、腸管バリア機能を増強するユニークな生理活性を有しており、腸管上皮に作用して傷んだ粘膜を保護・修復する特性を有しています。

​ 当社では、腸管バリア機能増強作用を有する「長鎖ポリリン酸」に着目し、粘膜治癒を誘導する新たなIBD治療薬候補として、研究開発を進めています。

UMIN試験ID: UMIN000021555
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​有害事象の少ない新規抗腫瘍剤の研究開発

 高齢者、特に併存疾患を持つ患者に対する抗がん剤療法は未充足であり、有害事象が少なく長期投与可能な抗がん剤開発が望まれています。一部のプロバイオティクスには癌抑制作用が報告されてきましたが、抗腫瘍剤として臨床応用には至っていません。

​ 乳酸菌の一種から同定した抗腫瘍生理活性物質「フェリクローム」は​、強力な抗腫瘍活性を有する一方で、正常な粘膜上皮細胞には細胞障害性を示さないユニークな特性を有しています。

 当社では、正常な粘膜上皮細胞には細胞障害性を示さず、がん細胞には強力な抗腫瘍活性を示す「フェリクローム」に着目し、副作用の少ない新たな抗腫瘍剤候補として、研究開発を進めています。

強力な抗腫瘍活性を有する一方で、正常な粘膜上皮細胞には細胞障害性を示さない
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